GGBコラム7月号

宮廷画家ゴヤは見た(映画)
教会による異端審問。侵略するナポレオンの軍隊による無差別虐殺、抵抗するスペインの民衆、ゴヤが生きた時代の民衆の生活が生々しく描かれる。しかし、ゴヤの創作活動との関連が弱く、その中でゴヤはどのように生きたのかをもう少し丁寧に描いて欲しかった。ゴヤの有名な絵が随所に出てくるのは楽しい。神父や王妃が仕上がった自分の肖像画を見て、あまりにもリアルに人間性が出ているのでいずれも不機嫌な様子が可笑しい。それにしても、ゴヤは宮廷画家として結構うまく立ち回っていたのかもしれない。

2009年6月12日 兵庫県立美術館