画商の目

 私は平野古陶軒と言う、大阪では老舗の古美術店で修行しました。
その関係で、今も中国・朝鮮の古陶磁を扱っております。ですから、今回はとても人気が有る中国美術について、私が感じる事を書きたいと思います。
 皆様もご存知の通り、中国経済の凄まじい発展につられる様に中国美術の業界は活発な動きを見せて来ました。その兆しは随分前からあったのですが、ここ4・5年の動きは目を見張る物があります。私も修行時代に憶えた相場はここ数年役に立たず、日々情報を取り入れるのに苦労しております。
 そして中国の方との価値観の違いに戸惑っています。それは物の評価、価格、真贋などです。今までは日本や欧米の研究が主流であったのですが、最近では中国の方が主流になりつつあります。それは自国の物ですから、あたり前といえばそうなんですが、それが価値観の違いとして現れている様に思います。もちろん、大きく違うわけではなく、物によってはの話です。
 今後も中国という巨大マーケットが有る以上、いち早く中国の方達の価値観を理解し、仕事に結び付ける事が急務だと思っています。

古美術・古書籍(株)りーちあーと