花の色は野の緑と共に美しい自然の彩りであり、 どれほど我々の生活に潤いを与えてくれたか計り 知れないものがあります。花の神秘のシンボル とも云える花の色の研究の歴史も古く、過去100年 の間に花の色素について多くのことが分かって 参りました。色素の研究は化学を中心に進んで きましたが、ここでは成る可く化学構造式を使わ ないで話を進めて行きます。 「花の色」と聞いて最初にどんな色を思い浮かべ ますかの質問を、花屋さんの客に尋ねますと、好み 人気ナンバーワンの色は「ピンク」でした。 それに次いで赤、紫の順になっておりました。 事実花屋さんの店先には色鮮やかな園芸種の花が 溢れております。 では自然界ではどんな色の花が多いのでしょうか。
野生の花の色 | |||
白 | 32% | 黄 | 30.2% |
青から紫 | 23.2% | 赤,橙 | 約10% |
※この画像はクリックすると拡大します。
スポンジ状組織にある気泡で反射された反射光の
薄い淡黄色は人間の目には白く光って見える。白い花も無色素ではなく、フラボン系色素(フラボ
ノイド)(淡黄色)を含んでいる。
フラボンは病虫害を防ぐ抗菌作用があると云われ、
チュウインガムにも含まれている。
○ 開花中に白から変色する花
空木(ウツギ)、酔芙蓉(スイフヨウ)
白→赤;それ故夕方には白赤混在
(最初の白はフラボンで後の赤はアントシアニン)
○ 黒バラの黒色(濃赤色)
朝は黒色なのが夕方になると花びらが広がり赤色に見える
○ 黒米 アントシアニン(鳥取大 中島教授、1933)
○ 紫薯(山川紫、鹿児島県)アントシアニン