近頃の版画市場に思う!

 1980年代、高度成長期の日本で集合住宅が一般化する頃、軸/日本画・洋画に加えてインテリアとしての版画が美術市場に登場し始めました。三越百貨店がビュフェ/カシニョール/ブラジリエ等のフランス人気昨夏の版画販売を始め、ヴィジョンヌーヴェル/フランコニーと言ったパブリシャーが日本全国に代理店を展開し版画ブームが始まりました。
 1990年代のバブル期には、先の3人に加えてアイズピリ/カトラン等の作家の作品が僅か3ヶ月で2倍になると言うこともあり、仕入れに、ヨーロッパ→アメリカ→日本を2ヶ月ごとに巡回する日々が3年くらい続き、今では考えられない夢のような日々でした。 90年後半に入ると、山形/ラッセン/シムシメール/丁紹光等の在米コンテンポラリー作家を、アートコレクションハウス/アールビバン/グランプリアート等の販売会社が展示販売を激化し版画市場がバブル化されました。
2000年代に入り、日本経済が下降するに従い版画の価格が下落し始め、又コレクターの高齢化に伴い作品の売りが加速して、今のような版画市場となりました。
これからの展開ですが、世界中の美術館に収蔵されている作家の版画が異常に安い今こそ収集のチャンスかと思います。
ピカソ/ミロ/シャガール/ルオー/ブラック/ヴラマンク等オリジナル版画が今までに無い低価格になっている今、チャレンジしてみたらいかがでしょうか?

(有)アドリアチカ
代表 古本 如洋